【トキ再び大空へ 放鳥から1年】「天女の舞」に
「トキ、どこにおる。きちんとエサを食べとるやろうか。ひもじい思いをしとらんやろうか。毎日トキを思わない日はありません」
29日に行われるトキの第2次放鳥が近づくにつれ、新潟・佐渡でトキ保護に一生をささげてきた佐藤春雄さん(90)はそんな思いが募ってくる。
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佐藤さんがトキの保護に取り組むようになったのは昭和22年11月。戦争から復員後、故郷で「幻の鳥」と思われていた1羽のトキが夕日を浴びて飛ぶ姿を目撃したからだった。
「薄桃色の羽が本当に美しかった。人を殺す訓練を受け、荒れ果てた心にはまるで天女の舞いのように見えた」
当時28歳。商業高校の教諭になった佐藤さんは「あの風景を残したい」と時間を見つけては、スポンジを詰め込んだタイヤの自転車で走り回り、山小屋でわらにくるまって夜を明かし、トキの姿を追い求めた。
トキの特徴は「朱鷺」の字のごとし日があたると薄桃色に輝く美しい羽だ。奈良時代の「日本書紀」にも「桃花鳥」という記述で登場する。トキは江戸時代、日本だけではなく中国、ロシアなど東アジア一帯に生息していた。
しかし、美しい羽だけではなくその肉も産後の肥立ちにいいとされ珍重された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090926-00000016-san-soci
